この記事を読んでいる皆様ならあえて事の子細を語る必要はないでしょう。
南青山に児童相談所を建てるという問題で反対意見が現地住民から噴出したというニュースです。
テレビをつけるとゴリッゴリの選民思想をもってそうなおじ様おば様が「南青山という一等地に児童相談所なんてけしからん!」という非常に胸糞悪い理論をかっ飛ばしていました。
これは視聴者にとっては気分が悪いものでしたね。ツイッターなどのSNSでは南青山の住民を非難する声が多く、「ブランドが下がる」などと言った発言を聞けば、それも当然のことと思えます。
…しかし待ってほしいんですよ。皆さんも南青山の問題を短絡的に考えてはいないだろうかと。
ニュースがとりあげた鼻につくセレブ達の酷い発言を見て、ただの「セレブ叩き」に奔走しているような気がしてならないんです。
実は私は、南青山に児童相談所を建てる意味はないと思っています。
というのは、ブランドが下がる…なんてくだらない理由ではありません。
以下、児童相談所の役割と南青山という土地の関係から論じてみようと思います。
虐待が起こりにくい土地
児童相談所は虐待された子供達を保護する役割をもちます。ここから児童養護施設で保護するかどうか決めるわけですね。
しかし、裕福な土地ではそもそも虐待が非常に起こりにくいのです。
事実として、貧困家庭の方が虐待の数が圧倒的に多いです。あえて南青山に建てる理由はないように思えます。
児童相談所の「抑止力」が働かない
もう1つ、児童相談所がもつ「抑止力」についてです。
児童相談所は親に監視されているという感覚をもたせ、虐待をさせにくくさせます。
親も在り方を見つめ直す機会になるからです。
つまり、虐待が起こりづらい土地に建てても、抑止力の無駄遣いなのでは?ということです。
相談しづらい
これが一番の問題になります。児童相談所は経済的な事情などから子供を育てていくのに困っている親が相談しに行く場所でもあります。
しかし、現実問題として果たして南青山にある児童相談所に相談しにいく人間が存在するのかって話です。
地域のネットワークが働かない
南青山の質疑応答を見て感じた人も多いと思いますが、お金持ちは基本的に地域の中でのネットワークを嫌います。それはプライドの問題だけではなく、セキュリティの面も含めて気軽な交流が少なくなるのです。
児童相談所は地域のネットワークを活かすことでより子供たちを守りやすくなります。そもそも地域で子供たちを育てることに非協力的な南青山は不向きです。
安い土地に高い施設を建てた方がいい
大前提として、公共施設にかけられる予算というのは決まっています。南青山の土地は、あの質疑応答で騒いでいた住民たちが驕る程度には高いです。
私は、高い土地に安い施設を作るよりも、安い土地に高い施設を作った方が子供たちのためになるんじゃないかと思います。
世間はもっと現実的に、真面目に考えてほしい
確かにテレビで出てきた南青山の一部のセレブがいけ好かないのは私も思います。「心が貧しい人達なんだな。」そう思う人も多くいたと思います。
しかし、そんな一部の極端な人間を叩くのではなく、もっと本質的な児童相談所の是非を論じるべきです。
子供がいない田舎に学校を建てようとしたら「税金の無駄遣い」であると言いますよね?「もっと子供が多い土地に建てろよ」と思うはずです。
児童相談所も簡単にポンポン建てられる場所じゃありません。地価も高く、子供を守る事に対しての意識が低い南青山に建てるぐらいなら、もっと児童相談所を最大限に活かせる土地に建てればいいのにと思います。
今の世間の流れはただのセレブ叩きです。しかし、それは子供たちのことを真剣に考えているとは言い難いのではないかと思いましたので、書きました。
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