本当にミックスボイスは必要か?チェスト(地声)で十分?

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急速に知れ渡った「ミックスボイス」

ネットの普及によって、急速に知れ渡っているミックスボイス。youtubeなどで有名無名に関わらずボイストレーナー達がこぞってミックスボイスの出し方の動画をUPしたりと、若い世代を中心に認知度がとても高くなりました。

ここ最近はもうないですが、昔は都市伝説な扱いも受けてきたミックスボイスですので、「本当にミックスボイスってそんな凄いもんなの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。出せるようになればそのすごさは実感できるのですが…

同時に広がるミックスボイス不要論

で、「ミックスボイスは本当に必要なのか?」って話ですよね。チェストボイス(いわゆる地声)だけで歌えるならばそれでいいじゃないかという意見が一般の方からよく出るのです。

その中にはミックスボイスに対して勘違いをもっていて、必要がないのだという事をおっしゃられる方もいます。

よくある勘違い:ミックス=芯がない

よくミックスボイスのお手本として平井堅さんやEXILEのATSUSHIさんなどが挙げられるため「やわらかい高音しか歌えないなら、俺は張り上げる」という方がいるのですが、明確な勘違いです。おそらくそういう方はミックスボイスに対してネガティブな偏見をもっているんじゃないかと思います。

で、まさに勘違いされているであろう方が書いている記事を見つけました。→【地声消滅傾向!?】最近の歌手の人ってミックスボイスばかりで自声の人減りましたよね!?

記事から引用させていただきます。

昔の方がみんな声がよく腹から出ている。今はミックスボイスを使う事によってそこまで声を張らずして高音域が出せるが、昔は地声なので、声量で高音域もカバーして来る。だから昔の人は凄い。今の歌手には出来ない芸当だ。僕的には昔の松山千春や布施明など。エグイ。

ミックスボイスもある意味悪い言い方をすれば小細工ですからね。最近の歌手でミックス使わないのポルノグラフィティぐらいかな?

色々と言いたいことはありますが、まずこの記事で触れられている布施明も松山千春もポルノグラフィティも、全員ミックスボイス使ってます。

この記事で書かれている歌手の方は、共通して皆閉鎖が強いミックスボイスです。ただ好まれる音楽性が変わっただけで別に「声量で高音域をカバーしている」(謎理論)わけではありません。ミックスボイス=息交じりのふんわりした発声方法ではありません。

それでは、いわゆる閉鎖の強いミックスボイスを聞いてみましょう。

まず布施明さん。もう序盤からミックスボイス使ってますよ。「息をきらし~」の「し~」の部分がよく鼻に響いているのが分かると思います。たまに布施明さんは地声で~という方がいるのですが、これは地声で出せる響きではありません。間違いなくミックスボイスです。

まさに邦楽の最高峰といってもいい歌唱力。玉置浩二さんも地声の張り上げではありません。玉置さんの発声をみると、声を前に出すというよりも、頭から音が鳴っているように見えませんか?これは鼻腔に思い切り響かせている、紛れもなくミックスボイスです。

布施明さんや玉置浩二さんにも共通するのが「語尾の響き」です。たまに芸人さんが地声を張り上げてお二人のモノマネをしますが、「確かに特徴を掴んでるんだけど、なんか違うんだよな」という事がありますよね。それは地声では出せない語尾の響きがあるからです。

語尾に響きをもってきて伸びやかに歌うためにはミックスボイスは欠かせない存在なのです。

ミックスボイスを上手く使えないと…

※ここから先は特定の歌手のファンの方は多少嫌な思いするかも

例えばですね、2016年に大ヒットした「恋」を歌っている星野源さんがいますよね。とても良い声質をされている方で、ソングライティング能力にも長けているので音楽的にも大成功を収めています。しかし、Mステのパフォーマンスで星野源さん、張り上げて裏返っていました。(星野源さんも自分でネタにしていましたね(笑)星野源さんは地声の張り上げに近い状態で発声していることがよくあるので、高音部分になると半音低かったり、どうしても疲れが見える時がありますね。全くミックスボイスを使っていないわけではないのですが、音程が徐々に上がっていく歌だとチェストのまま高音に突入して苦しそうな事がまま見受けられます。

ミックスボイスを非常に上手く使っているポルノグラフィティのライブを見て見ましょう。

ポルノグラフィティは非常に閉鎖が強いためとても地声と勘違いしやすいですが、紛れもないミックスです。

サウダージぐらいの音域だと分かりにくいですが、こちらの「the day」のライブ映像では間違いなくミックスボイスを使っていることが分かると思います。岡野さんは本当に凄いシンガーです。

女性のミックスボイスも聴いてみよう

MISIAさんも非常に強い閉鎖の強いミックスボイスです。

歳をとると如実に差が出るよ

ミックスボイスを使っている歌手と使っていない歌手とでは、歳をとった時に本当に如実に差が出ます。

小田和正さん。なんと御歳、71歳。聴いてみると歳を感じさせず高音部分が伸びやかに歌われているのが分かります。

地声で張り上げている人たちはこの年齢になると、まず歌えません。結果として演歌のように音域が低い曲を好む傾向があるんですね。しかし皆さんが歳をとった時に小田和正さんのようにJPOPを歌いたいならば、ミックスボイスを習得しておくべきです。

高音部分でビブラートを使いたいなら

「低音部分ならビブラートできるのになぁ」という方いませんか?そういう方は、まず『ビブラートできる声帯の状態』について考えてみましょう。ビブラートできる声帯の状態=声帯が緩んでいて余裕のある状態です。地声の張り上げでガチガチに固まった声帯のままだとビブラートする余裕がないのです。高音部分でビブラートをかけたい方も絶対にミックスボイスが必要であると言えます。

まとめ:ミックスボイス=魅力ではないが…

もちろんミックスボイスを使わずとも歌手として成功する方も多くいます。福山雅治さんやしかし、やはり現実的に伸びやかな高音を歌う際にはミックスボイスは欠かせません。事実、「本当に上手い」部類に属されている方は皆ミックスボイスを使っています。

さらに、加齢によって声帯が衰えてきた時に地声派は全滅します。歌を歌うのが嫌いになる方もいるかもしれません。ぜひミックスボイスを習得して伸びやかに歌えるようになったほうがいいと思います。